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『日本歯技』2017年8月号巻頭言



歯科技工所管理者の責任

 平成24年10月2日発の厚生労働省医政局長通知は、歯科技工所における歯科補てつ物等の作成等及び品質管理指針を定め、円滑な施行を求めている。この指針は、歯科技工所における歯科補てつ物等の作成管理及び品質管理に関する事項を定め、歯科補てつ物等の質の確保を図ることを目的としている。また、この指針での管理者とは、歯科技工士法第22条に規定する歯科技工所の管理者であり、歯科医師又は歯科技工士たる者で、歯科技工に係る実務経験を5年以上有する者が望ましいとしている。
 近年、CADの発達により作成された形状データはインターネットを利用し、CAMによって地域を超えて作成、加工が行えるように進化した。それに伴い、委託過程及び作成過程が多様化し、同時に複雑化していくことも考えられるが、歯科技工はあくまでも歯科医療の一分野であることから、歯科医師が了知していない委託が行われることのないように制度設計されており、違反すれば罰則も規定されている。さらに、保険導入されたCAD/CAM冠に至っては、算定告示、留意事項通知、施設基準通知、材料定義通知等々、歯科医師が保険請求する上で留意しなければならないことが定められている。
 また、歯科技工士法第23条では、歯科技工所の管理者は、その歯科技工所に勤務する歯科技工士その他の従業者を監督し、その業務遂行に欠けるところがないように必要な注意をしなければならないと記してある。そして、歯科技工所における歯科補てつ物等の作成等及び品質管理指針では、開設者には指示書に基づく作成等管理及び品質管理に関する文書として「歯科技工録」の作成が義務付けられ、開設者は管理者に対し業務遂行に支障が生じぬよう、手順書に基づいた工程管理、歯科補てつ物等及び機器の点検・検査、苦情処理、自己点検結果等の管理と関係機関・関係団体等が開催する研修会等への積極的な受講を行うように義務付けている。
 これまでになかった新素材、新技術の歯科技工への応用はめざましく、引き続き、良質な歯科医療を国民に提供するための法令遵守と歯科補てつ物等のトレーサビリティ(歯科補てつ物等の安心、安全を確保するために作成・加工・流通などの過程を明確にすること)の確保の実践は必須になることから、歯科技工所管理者の責任は開設者と同様、一層重くなっていく。
 
 
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