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『日本歯技』2018年9月号 巻頭言


『日本歯技』 2018年9月号
 


今こそ、歯科技工士基礎教育を3年制以上に
 

 2018年5月、厚生労働省医政局長が招集する構成員から成る「歯科技工士の養成・確保に関する検討会」がスタートした。設置の目的は「今後、超高齢社会を迎え、患者に対して義歯等の歯科補てつ物が適切に提供される体制を構築するために、歯科技工士を取り巻く状況を踏まえつつ、歯科技工士の養成・確保に関して具体的に検討を行うため」とされている。
 類似の検討会は、1992年「歯科技工士養成の改善等に関する検討会」、2001年「歯科技工士の養成の在り方等に関する検討会」、そして2014年「歯科専門職の資質向上検討会」と続き、通算4回目である。
 歯科技工士が歯科専門職として国民歯科医療の充実と発展に寄与するためには、歯科医師・歯科衛生士とチームで取り組むために必要なカリキュラムや、歯科技工所の運営に関わる知識等が不可欠であり、従来の2年間の教育では、これらの教育内容の追加が不可能であることから、歯科技工士のナショナルセンターである日本歯科技工士会は、これまでの検討会においても修行年限の延長を訴え、基礎教育を3年以上にする制度化を求めてきた。しかし、その意見書や報告書では、「短期間のうちに修業年限を延長する場合、学生の確保や施設設備の増設に伴う費用負担が必要になる等の歯科技工士養成施設における経営上の問題も指摘されている」と明記され、実現に至っていない。
 日本歯科技工士会には、歯科技工士を志す者の一定数の確保、国家資格を取得するための基礎教育の在り方、そして職業を通して有意義な人生を全うするための環境整備等、歯科技工士のライフサイクルの確立に社会的使命と責任がある。これは、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士等々の医療技術者のナショナルセンターも同様に考えており、特に基礎教育の在り方については職業のアイデンティティーに関わる重要な課題であることを共有している。
 人を教育することは、その人の人生に関わる重大なことである。だからこそ、我が子を育てるようにその子の将来の幸せを願い、できることを精一杯やらなければならない。社会環境の変化に伴い医療と介護に関わる者に求められるスキルが大きく変化しようとしている中、歯科技工士だけが取り残されることのないように、今こそ歯科技工士教育に関わる全ての者が遠山の構えで、教え子の将来の幸せを願い、共にその責任を果たさなければならない。

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