生涯研修開催カレンダー

・・・生涯研修開催日

催事予定一覧はこちらから

『日本歯技』2018年12月号巻頭言



人生100年時代と歯科

 政府は今年6月、「人生100年時代構想」の基本構想をとりまとめた。基本構想の考え方として、我が国は健康寿命が世界一の長寿社会を迎えており、今後更なる健康寿命の延伸も期待される。こうした人生100年時代には、高齢者から若者まで、全ての国民に活躍の場があり、全ての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくる必要があるとの考え方が示されている。
 2018年度の100歳以上の高齢者は6万7,824人と発表された。調査開始時の1963年は153人だった100歳以上の人数は、1998年に1万人、2012年に5万人、2015年に6万人をそれぞれ突破している。これには、我が国の皆保険制度や、医療技術の進歩などが影響していると見られているが、歯科医療が果たす役割も極めて大きいと考えられる。事実、8020達成率は、平成28年歯科疾患実態調査によると51.2%であり、2人に1人以上が達成している。8020運動開始当時は7%程度の達成率であったことから見ても、その成果は大きい。
 歯科だけができる咬合治療は、人が生きる上で欠かせない咀嚼、嚥下、発音、口腔感覚、姿勢維持、身体運動などの機能、さらに脳の働き、自律神経のバランスなど心身の健康まで深く関わっており、健康寿命に極めて重要な役割を担っていることは、最近の研究論文等で明らかになっている。国民の歯科に関する意識も向上し、小児のう蝕歯数も年々減少して、従来の歯科治療の方法にも変化が出てきている。厚生労働省も「歯科治療の需要の将来予想(イメージ)」として、う蝕から修復治療と行ってきた「歯の形態の回復」から、う蝕がなくなり、形態の回復から「口腔機能の回復」へと移行していくイメージを示している。
 デジタル化が飛躍的な進歩を遂げている現在、我々も最新の知識と技術を習得することが、安全で適正な歯科医療を行う上で不可欠であり、顎口腔系に調和した補てつ物製作を的確に行っていく上で、知識と技術の更なる高度化が強く求められている。適正な咬合治療を行い、機能回復を図った補てつ物を装着することにより、国民の健康寿命を延伸させ、ひいては超高齢国・日本の将来の繁栄に大きく貢献できるのが歯科であると考える。
 
ページトップへ