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『日本歯技』2019年2月号巻頭言



デジタル社会における歯科技工士の役割

 近年、デジタル社会の到来により、人々のライフスタイルが大きく変化している。かつてテレビで心躍らせ夢見た未来の世界がいくつも現実になっていることから、数年先には、今、夢だと思っていることも技術の進歩で実現するかもしれない。
 平成26年度の社会保険歯科診療報酬改定でCAD/CAM冠が保険導入されたことにより、デジタル歯科技工が注目され、歯科技工術式にも大きな変化が起こっている。また、素材の進化も伴い、今までアナログ歯科技工では加工できなかったマテリアルが歯科治療に用いられ、歯科補てつ物も変化している。現在、歯科用のソフトウェアを使って歯冠形態をデザインしているのは歯科技工士だが、今後、科学技術の進歩によって、人工知能(AI)を駆使してデザインするソフトの開発も予測される。
 2045年にはAIが人間の脳を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)に到達すると予言している未来学者もいる。そのような時代になったとき、歯科技工士はどのような方向を目指していけばよいのだろうか。今から様々なアンテナを張って情報収集することも必要であろうし、何より歯科技工士自ら目指すものを示していくべきである。今後、様々な産業も生き残るためには、「創造性」と「協調性」が求められるという。ここにそのヒントがあるのではないだろうか。
 もしそうだとしたら、歯科技工士にとっての創造性は、AIを活用した情報の蓄積や処理を行うことにより、患者一人ひとりの顔貌や年齢変化に適応した理想的な歯科補てつ物を製作することにある。そして協調性は、歯科医師、歯科衛生士及び歯科技工士のコミュニケーションを含めたチームアプローチである。これにより患者ファーストの質の高い歯科補てつ物を供給することができるのではないか。
 国民の利益となる歯科保健医療のために、これまでの歯科技工の上にデジタル技術を上手く取り入れて使いこなすとともに、本当の意味での歯科におけるチーム医療の実現を目指すことで、歯科技工士の輝く未来が示されると考える。
 
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