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『日本歯技』2019年10月号巻頭言

『日本歯技』2019年10月号 巻頭言
 
補てつ物等を作成する場所

 「歯科医療における補てつ物等のトレーサビリティに関する指針」(平成23年6月28日 厚労省医政発0628第4号)は、安心で安全な歯科医療を確立するために、歯科医療機関、歯科医師、委託先、患者等の全ての関係者が、補てつ物等の委託過程及び作成過程並びに含有成分等に関する必要な情報を共有できる仕組みの構築を求めている。これは、歯科技工所で作成する補てつ物等の品質保証は、歯科医師の指示を満たした従来の機能性に留まらず、作成者、作成場所、使用材料、作成方法等の情報を管理することが必須要件として包含されたということである。
 近年、補てつ物等の作成は手技によるアナログ的な技法から、CAD/CAM装置を用いたデジタル的な技法へと発展している。そして、作られたデジタルデータはインターネットを経由し、国内は疎か国外へも瞬時に伝送することができることから、求められている補てつ物等の委託過程や作成過程の顕在化に歯科医療機関及び委託先が主体的に取組むことが重要である。
 本年4月に改正された労働基準法は、企業の長時間労働というマイナスのイメージを払拭するため、「働き方」という日本の企業文化に対する改革を求める内容になっている。国が推進するテレワークは、ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な「働き方」であり、テレワークの主な形態として在宅勤務のほか、施設利用型勤務として、サテライトオフィス、テレワークセンター、スポットオフィス等を就業場所とする形態がある。
 もちろん、歯科技工所も構造設備基準に適合し、CAD/CAM装置とインターネット環境を整えることができれば、こうした状況をつくることも可能であるが、歯科技工士法第21条では、開設、廃止、休止、再開、変更等の歯科技工所に義務付けた届出について規定している(これに違反した者は30万円以下の罰金が科せられる)。さらに、厚生労働省医政局歯科保健課長への疑義解釈で、コンピューターを利用して行う過程を含め、歯科技工士法第2条第1項に規定する歯科技工に該当するとの回答も得ている(平成28年4月11日医政歯発0411第3号)。よって、歯科技工所とは、業として歯科技工を行う場所をいうことから、たとえテレワークといえどもその業務を行う場所は歯科技工所として届け出なければならない。
 一昨年から、日技が国の事業である「歯科補てつ物製作過程等の情報提供推進事業」の実施団体となって、歯科技工士に関する法令についての研修会他を実施しており、今年度も7カ所で開催される。安心で安全な歯科医療を確立するために多くの歯科医療関係者に参加してもらいたい。
 

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