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『日本歯技』2020年4月号巻頭言

『日本歯技』2020年4月号 巻頭言

温故知新の心を忘れずに!

 「近代歯科技工士の祖」と言われる松岡萬蔵をご存じだろうか?
 彼は、明治時代に横浜市で歯科医院を開業したアメリカ人歯科医師、セント・ジョージ・エリオットとハラック・マーソン・パーキンスのもとで、近代歯科技工を専門に担った。当時はまだ歯科医師の免許制度はなかったが、松岡はあえて歯科医師の道を選ばず、生涯を歯科技工の進歩に尽力し、多くの歯科医師にその技術を教授したという。
 かつては歯科医師がすべての業務を一人で担っていた時代もあったが、その後、松岡のように歯科技工を行う者が徐々に専門性を高めていった。そして昭和30(1955)年、歯科技工法制定に伴い、歯科技工士は専門職種として国家資格制度が確立された。
 時は流れ令和2(2020)年2月16日、全国統一試験となって5回目の歯科技工士国家試験が北海道、宮城県、東京都、大阪府、福岡県の5カ所で実施され、新たな仲間が誕生する。しかし近年、歯科技工士を志願する若者が激減し、年々合格者数は減少傾向にある。
 超高齢社会を迎えた現在、疾病構造の変化に伴って医科と包含する流れの中で「口腔」という言葉がよく使われるようになり、医科歯科連携の重要性が認識されるようになった。一方、多様化する医療・介護提供体制に係る基本施策の中、地域における効果的な歯科医療体制の確保の一端を担う歯科技工士は、これまで以上にその責務を果たさなければならない。しかし、次世代の激減がその前途に影を落としていることから、早急な対策が求められる。
 今日まで歯科技工を築いてきた先人たちの歩みは、決して平坦なものではなかった。今後も、歯科技工のナショナルセンターである日本歯科技工士会は、確固たる理念のもと、真摯に、果敢に、邁進しなければならない。歯科技工士の存在意義は、今を生きる私たち一人ひとりの「志」にかかっている。
 本年は「歯科技工士法制定ならびに日本歯科技工士会創立65周年」の節目である。温故知新の心を忘れず、新たな変革を遂げるべく先達の英知と会の歴史に思いを馳せ、次世代の歯科技工士に夢と希望を与えられるような事業に取り組まなければならない。

 

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