生涯研修会が開催される

2019-06-30

令和元年6月30日(日)、大分市のホルトホール大分に於いて「生涯研修会(基本・自由課程)」が会員、非会員、歯科医師、学生の約50名の参加により開催されました。

肥川憲一郎県技学術理事の進行のもと、基本研修の教養課程と専門課程ならびに自由研修が行われました。






基本研修教養課程
「歯科技工の展望」
日技生涯研修認定講師 佐藤幸司先生


これからの歯科技工士は、歯科医療人としての専門性を、歯科技工を通じて広い視野で社会に貢献できる歯科技工士が求められていると思われます。歯科技工の原点は、失われた口腔機能器の回復技工にあると考えています。
デジタル時代の歯科技工に何を求めるかと言われれば、仕事の合理化や精密度あるいは品質管理を考えるが、歯科技工士が医療人として職業観を考えるときヒューマンなテクノロジーが重要であります。つまり、歯科医療従事者として歯科医療に貢献するために『社会的な役割分担』『個性の発揮』『生活の質』といった職業人の三要素が大切であります。新時代における歯科技工士として充実した日常を送る為に皆様と共に考察してみたいと思います。
また、グローバル化時代の歯科技工界について、海外の歯科技工動向と現状についても包括的に考察したいと考えています。



基本研修専門課程
「義歯製作の基本」
日技生涯研修認定講師 佐藤幸司先生


義歯製作においても歯科技工を行う上で補綴装置の咬合と審美は、欠かすことの出来ない分野であろう。臨床技工で大切なことは、正確な口腔内情報により明確な制作技工を行う素材を適切に分析および解析し、それを効率よく実践する事だとされています。
それには、担当歯科医師との十分なコミユニケーシヨンが基本で、患者の主訴をよく理解し顔貌の表情や姿勢等の観察も重要であります。義歯を製作するうえで、トータルサポートとなる顎口腔系から全身に生理学的調和する機能審美補綴でなければならないとされています。近年の臨床技工も細分化され多様化し、デ タル技工等と複雑化して来ています。 各専門に分科していくのは、それなりに進歩して歯科医学の発展のためにも納得のゆく事ではあるが、多すぎるほどの高度な情報があらゆる分野で得られるため、ペースとなる基本が大切であると思っています。
今回の基本研修では、総義歯製作で重要な基礎について整理し再確認をして見たいと考えています。
時間の許す限り皆様と共に実りあるセミナーになれば幸いです。






自由研修課程
1. 「治療用義歯を用いた総義歯製作」
日技生涯研修認定講師 原田 庸人先生


一個性的な人工歯排列法(八イドロキャストプログラム) -
総義歯の役割は、咀嚼・ 発音・ 審美性の回復である。治療用義歯を用いた総義歯製作では、治療用義歯床の内面に粘膜調整剤(八イドロキャスト) を用いる。また治療用義歯を用いることで、歯肉粘膜や義歯床緑周囲の筋肉の動的印象の採得。審美的な確認、解剖学的および機能的な調和を図る。咬合の安定性の確認(顎位の決定) などを行う。
 今回は個性的な人工歯排列法をテーマに、Dr.Poundによる前歯部の人工歯排列法をもとに年齢、性別など考慮し、個々の患者様に調和するような顔貌の回復について説明する。






2.「有床義歯の咬合と人工歯排列の客観的なガイドライン」
日技生涯研修認定講師 佐藤幸司先生


超高齢社会を迎え高齢者歯科医療と共に在宅・訪問介護の歯科医療も増加傾向になって来ているようである。歯科医療ニーズの動向によると、在宅歯科医療の摂食嚥下といった高齢者歯科医療の充実が求められ、義歯の質的需要が高度化して来ています。また、歯 科医療現場も高度に発達した歯科医療技術の進歩により、歯が喪失した無歯顎者の疾病構造も著しく変化してきていると思われます。義歯製作もより簡便で、客観的な根拠から効率的な"二義的人工蔵器義歯"の製作システムとなる供給体制が求められています。

義歯の咬合セミナー では、無歯顎臨床で最も重要な要素である印象採得・ 咬合採得から得られた模型を分析し正確に咬合器装着を行い、客観的な人工歯排列と咬合について発表する予定です。

無歯顎補綴の仮想咬合平面の設定基準は、歯冠修復・ インプラント補綴にも役に立つ咬合平面のガイドラインについても考察したいと考えています。

症例を担当する歯科医師の診査診断による治療計画を基に、歯科技工士・歯科衛生士も共有し、各ステップを慎重に進めなければならないと思います。 印象体を大別すると、概形印象体と機能印象体に分類され模型上に表現された組織を十分に熟知し臨床模型の分析及び解析が重要であります。

そこで 仮想咬合位(Virtual Intercuspal Position) と仮想咬合平面(Tentative Occlusal Plane) の考察とガイドラインが重要であります。
解剖学・発生学・生理学から異なる臨床症例に対する咬合平面の設定と咬合彎曲の与え方について生理学的、力学的に考慮した適切な部位に人工歯排列を行い、筋組織と口腔内に調和した咬合と咬合様式を付与することが重要であります。 最後に有床義歯の展望とデジタルデンチヤーについて考察し、時間の許す限り聴講して戴いた皆様と共に有意義な講演会になれば幸いです。










原田庸人先生 ご略歴

1957 年 歯科技工士免許取得 (特例第4 5 号)
1971 年 保母須弥也先生が主催するDr.Poundのセミナーに参加
1971 年~1986年 8 回にわたってDr.Poundのもとを訪れ研修する
1986 年 横田歯科医院退職
1987 年 Hydro-Cast(ハイドロキャスト) 認定講師
1987 年 西日本歯科補綴研究所ハイドロキャストラボラトリー設立
2015 年 株式会社デンタルラボウイズ所属



佐藤幸司先生ご略歴

1976 年 大分県歯科技術専門学校卒業
 納富哲夫先生に師事 (東京都) 戸井歯科診療所勤務 (別府市)
 安部歯科医院勤務 (名古屋市)
1985 年 佐藤補綴研究室開設(名古屋市開業)
1985 年 (公社) 日本歯科技工士会 生涯研修認定講師
1988 年 イエテボリ大学にてブローネマルクインプラントコース受講
1990 年 名古屋市立大学医学部研究員: 第一解剖学教室入局(2006年まで)
2002 年 イボクラールビバデントB P S公認国際インストラクター
1980 年 東海歯科医療専門学校専攻科非常勤講師
2003 年 明倫短期大学生体技工専攻学科臨床教授
2009 年 名古屋歯科医療専門学校非常勤講師
2017 年 神奈川歯科大学大学院歯学研究科全身管理医歯学講座
顎咬合機能回復補綴医学分野非常勤講師


活動報告(カテゴリ)

生涯研修会(基本・自由課程)のご案内

2019-06-18

6月30日(日) 生涯研修会が下記のように開催予定です。


催事情報(カテゴリ)

別府市歯科医師会主催の「歯の健康教室」

2019-06-02

6月2日(日)、別府市歯科医師会主催の「歯の健康教室」が別府市公会堂で開催されました。

別府支部では、毎年恒例となった手形の石膏模型の製作で協力しています。

今年も来場した子供達や保護者に大好評でした。

作った手形の模型を嬉しそうに持って帰っていく姿を見て、作った我々も嬉しくなりました。







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