感染対策Q&A
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院内感染ってなに?
医療施設内で、受診者や医療従事者が病原微生物に感染することをいいます。歯科医療では出血をともなう処置が多いことから、とくに血液中のウイルスに対する十分な対策が必要です。
血液中のウイルスにはどんなものがあるの?
「B型肝炎ウイルス(HBV)」、「C型肝炎ウイルス(HCV)」、「ヒト免疫不全ウイルス(HIV)」などがあります。この中では、「B型肝炎ウイルス」がもっとも感染力が強く、消毒薬に対する抵抗性も強いといわれています。
「スタンダードプリコーション」ってなんのこと?
1996年にCDC(米国疾病管理予防局)が発行したガイドラインのひとつ。すべての血液、体液、分泌物、などの湿性物質に感染性があるという考え方を基本に、手袋などの保護具の使用、手指洗浄、器具の処理などを示しています。
滅菌と消毒は、どう違うの?
滅菌とは、すべての微生物を死滅させて無菌状態にすることをいいます。消毒とは、病原性を発揮できないまで微生物の数または力を低下させることをいいます。対象物に、どの程度の清潔さが求められるかによって使い分けます。
血液や唾液のついている印象体はどうすればいいの?
血液などの付着が見られなくても、すべての印象体は、すみやかに洗浄と消毒をしてください。未消毒のまま次の工程に移りますと、周辺環境に汚染を拡大させてしまいます。また、石膏模型になってからの消毒は一段と難しくなります。
石膏模型から感染することはあるの?
「B型肝炎ウイルス」は、物体の表面に付着した乾燥血液中で7日間生存していたとの報告があります。石膏模型には微生物の格好の隠れ家になる微細な空隙があるため、危険性はさらに長期間継続する可能性があります。
感染対策は、なにから始めたらいいの?
職場のみなさんと、感染対策の必要性や今ある問題点について率直に話し合ってみましょう。疑問や不安が出て来たなら、それは一歩前進です。みんなで勉強しながら、まずはできることから少しずつ改善していきましょう。
感染対策に関する各種資料
『日本歯技』の感染対策記事
日本の関係法令(一部)
・新感染症法と歯科技工 〔PDF/9KB〕
アメリカの基準「歯科臨床における院内感染予防ガイドライン(2003年)」
2003年12月にCDC(米国疾病管理予防局)は、10年ぶりに歯科診療における院内感染予防ガイドライン改訂版を発表しました。現在2つの邦訳版が発行されています。
・池田正一先生(神奈川県立こども医療センター歯科)編・共訳,厚生労働省エイズ対策事業
・小林寛伊先生(関東病院名誉院長)監訳,株式会社メディカ出版
「歯科臨床における院内感染予防ガイドライン(2003年)」(エイズ予防情報ネットへリンク)
・池田正一先生(神奈川県立こども医療センター歯科)編・共訳,厚生労働省エイズ対策事業
・小林寛伊先生(関東病院名誉院長)監訳,株式会社メディカ出版
「歯科臨床における院内感染予防ガイドライン(2003年)」(エイズ予防情報ネットへリンク)