前歯に使用するCAD/CAM冠用材料の保険適用について

前歯に使用するCAD/CAM冠用材料の保険適用について
 
 「製作技工に要する費用」に関わる検討委員会
 
2020年(令和2年)8月31日付にて「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する件」(令和2年厚生労働省告示第304号)が公布され,下記の通り,9月1日から前歯に使用するCAD/CAM冠用材料が保険適用されました。
つきましては、保険適用の内容に関しプレゼンテーション動画(解説付き)を公開しますので、ぜひご覧ください。

前歯に使用するCAD/CAM冠用材料の保険適用に関するプレゼンテーション動画


前歯に使用するCAD/CAM冠用材料の保険適用内容
1.保険適用日
 2020年9月1日(火)
2.材料名
 CAD/CAM冠用材料(Ⅳ)
3.準用技術点数,材料点数
(1)準用技術点数  M015-2  CAD/CAM冠(1歯につき)  1,200
(2)使用材料点数  576
4.実施上の留意事項
(1)CAD/CAM冠とは,CAD/CAM冠用材料との互換性が制限されない歯科用CAD/CAM装置を用いて,作業模型で間接法により製作された歯冠補綴物をいう。
(2) CAD/CAM冠は以下のいずれかに該当する場合に算定する。
 イ 前歯又は小臼歯に使用する場合
 ロ 上下顎両側の第二大臼歯が全て残存し,左右の咬合支持がある患者に対し,過度な咬合圧が加わらない場合等において第一大臼歯に使用する場合
 ハ 歯科用金属を原因とする金属アレルギーを有する患者において,大臼歯に使用する場合(医科の保険医療機関又は医科歯科併設の医療機関の医師との連携のうえで,診療情報提供(診療情報提供料の様式に準じるもの)に基づく場合に限る。)
(3)~(4) (略)
(5)前歯に対し,CAD/CAM冠を製作する場合において,CAD/CAM冠用材料(IV)の色調を決定することを目的として,色調見本とともに当該歯冠補綴を行う部位の口腔内写真を撮影した場合は,区分番号D010に掲げる歯冠補綴時色調採得検査に準じて算定する。
(6)前歯に対し,区分番号M001に掲げる歯冠形成のうち,CAD/CAM冠に係る費用を算定した歯又はCAD/CAM冠の歯冠形成を行うことを予定している歯で,テンポラリークラウンを用いた場合は,区分番号M003-2に掲げるテンポラリークラウンに準じ,当該歯に係る処置等を開始した日から当該補綴物を装着するまでの期間において,1歯につき1回に限り算定する。
5.材料価格算定に関する留意事項
(1)CAD/CAM冠用材料(I)及び(II)は小臼歯に使用した場合に限り算定できる。
(2)CAD/CAM冠用材料(III)は大臼歯に使用した場合に限り算定できる。
(3)CAD/CAM冠用材料(IV)は前歯に使用した場合に限り算定できる。
(4)CAD/CAM冠用材料(III)を大臼歯に使用した場合及びCAD/CAM冠用材料(IV)を前歯に使用した場合は,製品に付属している使用した材料の名称及びロット番号等を記載した文書(シール等)を保存して管理すること(診療録に貼付する等)。
6.CAD/CAM冠用材料(IV)の特定保険医療材料の定義
 次のいずれにも該当すること。
 ア  シリカ微粉末とそれを除いた無機質フィラーの合計の質量分率が60%以上であること。
 イ  ビッカース硬さが55HV0.2以上であること。
 ウ  37 ℃の水中に7日間浸漬後の3点曲げ強さが160MPa以上であること。
 エ  37 ℃の水中に7日間浸漬後の吸水量が32μg/mm3以下であること。
 オ  歯冠長に相当する一辺の長さが14mm以上であること。
 カ  シリカ微粉末とそれを除いた無機質フィラーの一次粒子径の最大径が5㎛以下であること。
 キ  エナメル色(切縁部色)とデンティン色(歯頚部色),及びこれらの移行色(中間色)を含む複数の色調を積層した構造であること。


★公益社団法人 日本歯科技工士会では、診療報酬改定の内容や歯科技工士感染防止対策等の有用な各種情報を提供しています。未入会の歯科技工士の皆様におかれては、この機にぜひ入会をご検討下さい。
 
 ※2020年9月1日実施の「点数分析表」(参考)については“会員専用ページ”にアップしていますので、会員の皆様はぜひご活用下さい。
ページトップへ