SDS(安全データシート)について

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 (略称:化管法)」への対応
 

MSDS(化学物質等安全データシート)からSDS(安全データシート)へ

 従来、化学物質等安全データシート(Material Safety Data Sheet、略称SDS)と呼ばれていましたが、2012年4月に、国連「GHS化学品の分類および表示に関する世界調和システム」で規定されている略称のSDSに統一されました。
 「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 (略称:化管法)」 により、有害性のおそれがある化学物質を含む製品を他の事業者に譲渡又は提供する際に、対象化学物質等の性状や取り扱いに関する情報を提供するための文書の提供が義務付けられています。歯科技工所は内容を理解して法令遵守に努めましょう。

  <対象化学物質>
   第一種指定化学物質        462物質
   (うち特定第一種指定化学物質)    15物質
   第二種指定化学物質        100物質

対象化学物質を確認してSDS制度へ適切に対応しましょう

 SDS制度とは、事業者による化学物質の適切な管理の改善を促進するため、対象化学物質又はそれを含有する製品を他の事業者に譲渡する又は提供する際には、その化学物質の性状及び取扱いに関する情報(SDS:安全データシート)を事前に提供することを義務づける制度です。取引先の事業者からSDSの提供を受けることにより、事業者は自らが使用する化学物質について必要な情報を入手し、化学物質の適切な管理に役立てることをねらいとしています。

sds

SDSの記載項目

1.製品及び会社情報 9.物理的及び化学的性質
2.危険有害性の要約 10.安定性及び反応性
3.組成及び成分情報 11.有害性情報
4.応急処置 12.環境影響情報
5.火災時の措置 13.廃棄上の注意
6.漏出時の措置 14.輸送上の注意
7.取扱い及び保管上の注意 15.適用法令
8.暴露防止及び保護措置 16.その他の情報

※薬事法により添付が義務付けられている医療機器の添付文書とは項目・書式が異なります。

SDSの提供義務は全ての事業所に

 SDSの提供は、原則として他の事業者と対象化学物質を含有する製品を取引する事業者すべてに義務づけられています。

 <SDSの提供方法>
  ・ 文書の交付
  ・ 磁気ディスクの交付
  ・ ファックス、電子メール等の送信、ホームページへの掲載(事前に相手方の承諾が必要)

歯科技工所が行うこと

1. 対象の化学物質を含む製品を扱っているかどうかを確認する。
 
経済産業省製造産業局の下記URLで対象化学物質を確認し、該当する物質を含む製品を扱っているかどうかを確認してください。
   http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/2.html

 また、化管法指定化学物質及び対象業種の見直しに関する情報は下記の各省庁のサイトも参照してください。

   ● 厚生労働省
    「PRTR集計結果」
     http://www.nihs.go.jp/mhlw/prtr_hp/index.htm 
   ● 経済産業省
    「化学物質排出把握管理促進法」
     http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/index.html
   ● 環境省
    「PRTRインフォメーション広場」
     http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html 

2. 対象化学物質を含む製品が確認された場合はSDSを入手する。
 歯科技工所から要望があった場合に、(一社)日本歯科商工協会に加入する歯科企業は、SDSを提供する用意があります。現在のところ、具体的には、該当する製品又は添付文書に記載してある製造販売業者に提供を依頼し、ファックスまたは郵送で受け取る方法を想定しています。万が一、提供を受けられない場合は、(一社)日本歯科商工協会に対応をお願いしてください。

3. 取引先の歯科医療機関にSDSを提供する。
 製作した歯科補綴物等に対象化学物質が含まれる場合、SDSを提供することになります。SDSの提供は、一種類一度限りで結構です。同じ相手に同じ物質で歯科補綴物等を製作した場合、何度も同じものを提供する必要はありません。なお、歯科技工所は、完成した歯科補綴物等中に含まれる対象化学物質の割合に基づいてSDS提供の要否を判断します。


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